3月27日、公正取引委員会が、株式会社シャトレーゼに対し、下請法違反行為の是正勧告を行っていたことを発表しました。
個人的には、シャトレーゼのお菓子に対する理念に共感し、またスイーツが本当に美味しいので大ファンです。今回は、大ファンであるがゆえに、これからの会社の対応に期待をするという意味で、あえて厳しい目線で問題を考えてみようと思います。
株式会社シャトレーゼ
シャトレーゼは山梨県甲府市に本社を置く食品メーカーです。
創業は1954年今川焼き風のお菓子専門店甘太郎。
近年は厳選素材・製法にこだわった洋菓子や和菓子、アイスなどが人気で、全国に1045店舗を構える超有名企業に成長しました。
北海道にもゆかりがあり、栗山町に製造工場が設立されて、道内にも店舗が数多く展開しています。道産食材を使ったスイーツも多数作られていて、道内でも人気の高いメーカーです。
シャトレーゼが行っていた下請法違反とは?
今回シャトレーゼが是正勧告を受けた下請法違反は、「受領拒否」と「不当な利益提供要請」と言われるものです。
下請法とは
下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を目的とした法律で、正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」という。この法律に違反するような下請取引をした場合、公正取引委員会からの指導・勧告を受けたり、不当な減額等による代金を返還させたり、企業名の公表や刑事罰などのペナルティを受けることがある。
参照:公正取引委員会HP/下請法より
シャトレーゼと下請事業者との間では、「仕掛依頼」と呼ばれる取引方式がとられていました。表面上は発注が成立しているにもかかわらず、商品は下請事業者の倉庫の中に保管されており、在庫管理コストや保管スペースの確保という負担はすべて下請事業者が負っていたとのこと。その総額は約2400万円(11社分)、その商品のうち約半数が納品から1年以上も引き取りがないまま、保管費用も払われぬまま、倉庫に眠っていたとのことです。
仕掛依頼とは
納期を定めずに下請企業に製造を依頼し、実際の受領時期を調節して運用する取引方式。在庫管理を柔軟に行うことができるため、仕掛依頼自体は法律で禁止されているものではない。しかし納品の遅延による費用や保管費用を下請事業者が負担せざるを得ないことが多く、不公平な取引になりやすい。公正取引委員会では、仕掛依頼取引の実情を見て、下請事業者が不当な取引をさせられていると認められた場合、指導・勧告を行っている。
シャトレーゼは、問題が発生した理由として、「仕掛依頼」方式の取引が本来と異なる形で運用されていた点を挙げています。
「下請事業者様と協議して決める年間発注計画表に基づき発行される「仕掛依頼書」につき、本来あるべき運用がなされていなかったことによります。「仕掛依頼書」は本来製造のリードタイムの長い商品について余裕をもったお取引ができるよう使用見込み情報の共有をする書類でしたが、実質的には納期までの製造を依頼する「発注書」として扱われており、その後発行される「発注書」は「出荷依頼」に相当する役割を果たしておりました。」(シャトレーゼ公式HP「下請代金支払遅延等防止法違反に関するお詫びとお知らせ」より引用)
公正取引委員会は、シャトレーゼが行っていたこの取引方式を、親事業者の禁止行為である「受領拒否(発注状態にあるにもかかわらず受け取っていない)」「不当な経済上の利益の提供要請(在庫の保管費用や廃棄費用を下請事業者に支払わせていた)」にあたると認定し、是正勧告を行ったとのことです。
これを受けてシャトレーゼは、同日中に謝罪文を公開し、引き取りしていない在庫商品の引き取りおよび支払いの準備を完了したこと、在庫保管料や廃棄費用についても公正取引委員会に確認を取りながら個々の下請事業者と対応中であることを発表しました。また再発防止策として、従来の「仕掛依頼」方式を廃止し、発注依頼方式へ転換し、依頼した納期にすべて受け取る方式へ切り替えることも発表しています。
20年続いた「慣行」の転換期
今回注目すべきは、シャトレーゼと下請事業者との間で行われていた不均衡な「仕掛依頼」方式が、20年もの間「慣行」として続いていたということです。
シャトレーゼだけではなく、おそらく多くの企業が「慣行」として何となく続けているものがあるはずです。保管場所の限界や、支払いの遅延など、これはおかしくないか?という現場の声がその慣行を見直すきっかけとなったわけです。
現場の問題を把握し、是正・改善していくこと。
これはすべての企業、事業主、個人レベルにまで求められる姿勢です。
ファンとしては、直前の混入事件とも相まって、企業に問題が発生するのは残念で仕方がありません。
もちろん、今回の下請法違反では、私たちが実際に口にするスイーツの味に直接的にかかわってくる可能性は低く、シャトレーゼの味はシャトレーゼの味として楽しむことができます。
我が家でも変わらずチョコバッキーを食べると思いますし、何かイベント時にはシャトレーゼのケーキを食べると思います。
ですが、「そういうことをしている企業」という部分では、商品をおすすめすることに素直に太鼓判を押せなくなってしまうわけです。
今回のシャトレーゼの下請法違反の報道では、おそらく多くの企業が「うちは大丈夫かな?」と疑問を感じるきっかけになったのではないかなと思います。下請取引に関わらず、「しきたりだから」「ずっとやってきたことだから」と漫然と続けるのではなく、「おかしいのではないか?」という視点を持って、取引が円滑に回るよう柔軟に対応していけると良いですね。
今後のシャトレーゼの動向にも注目しながら、信頼回復できるよう影ながら応援していきたいと思っています。
おまけ
今回のシャトレーゼの下請法違反の発表を受けて、色々と情報収集もして、こうして記事にしてみましたが、当ブログでは、「シャトレーゼのおすすめアイス」の記事を当面の間非公開とさせていただきます。
当ブログの中ではアクセスの多い記事の一つですし、私自身、自分が真におすすめできないものはブログでも紹介しない主義なので、私の中でシャトレーゼに対する失望が薄れるまでは非公開とさせていただきます。伴ってXのブログ紹介記事も削除しておりますので、いいねをしていただいた方はご了承ください。
好きだし応援しているがゆえに、また自信を持って「シャトレーゼのこれ美味しいよ!」と言える日を楽しみに待ちたいと思います。
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