主婦が紐解くデジタル社会②
運転免許証の情報が漏洩した。
パーク24の不正アクセス事件を受けて、『ついに来たか』という危機感を抱いた人は、どのくらいいただろう。
AIで覇権を争うアメリカや中国に対し、日本はデジタル後進国の真っただ中にいる。
社会はデジタル化を進めている一方で、そのシステムを運用する側のセキュリティが遅れているのではないか。
私はなんとなく、そんな不安を抱えていた。
これまでは“難解な日本語”という壁に守られていた日本のサイバーセキュリティが、AIの発達によって破られ始めている。
今回は、日本企業が相次いでサイバー攻撃を受けている今、日本のデジタル社会に何が起きているのか。
主婦が紐解いてみたいと思う。
※壮大な始まりだが、この主婦はデジタル音痴である。
ランサムウェアすら苦戦する日本語の難解さ
少なからずYouTubeやネットを使う人であれば「ランサムウェア」という言葉を耳にしたことがあるだろう。
ランサムウェアとは、データを暗号化して使えなくし、そのデータと引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃のことだ。
フィッシングメールやネットワーク機器の脆弱性、改ざんされたWebサイトなどから感染する。
AIがそこまで発達していなかった時代、日本語の難解さはフィッシング攻撃の難易度を大きく上げていた。
日本語が流暢でないと、文章の不自然さがすぐバレるため、攻撃成功率が低かったのだ。
明らかに変な文体のメールを削除した経験は、多くの人にあるだろう。
つまり、サイバー攻撃にとって「日本語」は一つの障壁だった。
AIの翻訳精度が上がり、日本語の障壁はなくなった
近年はAIの翻訳精度も格段に上がり、攻撃者は日本語が流暢でなくても自然な文体のフィッシングメールを作ることができるようになった。
- 日本語の敬語を自然に生成
- 企業名・住所・役所用語を正規化
- 過去の日本語メールを学習して“本物っぽい文体”を再現
- 日本企業の公式メールのテンプレを模倣
- 日本語の問い合わせメールを自動生成して攻撃対象を絞り込む
つまり、攻撃者は「日本語が読めなくても、日本企業の社員が書いたようなメールを量産できる」時代になったのである。
セキュリティが弱いまま進んだ日本のデジタル化
私はよく「日本はデジタル後進国」と言うが、これは特にアメリカや中国と比較して、テック分野で後れを取っているという意味で使っている。
日本発祥のAIはあるにはある(厳密には純日本産ではないらしい)が、覇権を争うほどの成長力は今のところまだない。
社会のデジタル化という点で言うと、少しずつ進めてはいるが、世界のデジタル化と比べると、日本は“独特”な気がする。
日本はデジタル化を進めているが、セキュリティが後回しになっている感が否めない。
「デジタル化=便利化」が先行していた歴史
欧米や中国は、デジタル化を進める際に、セキュリティや標準化をセットで進めている。
この点日本は、とりあえず便利にするためにデジタル化を導入するきらいがある。
マイナンバーを導入して行政を段階的にデジタル化したものの、スマホとの連携は後回しでとりあえずカードで代用していることにも表れている。
紙をデジタルに置き換えるなど、部分的なデジタル化を進めてきたのだ。
まずは安全に運用できる土台をつくること。
セキュリティ対策は真っ先にやるべき項目だが、AIのここまでのスピード成長を予見できないまま、セキュリティの穴は据え置かれ、デジタル化が進められた印象は否めない。
日本は世界的にも独特なデジタル社会
日本の委託構造は何段階にも割り振られていることが多く、構造的にも管理が難しいことが多い。
ひ孫請け企業までいるような形態の企業もあるだろう。
システムの管理は委託先任せだったり、「その人しか分からない」ことが多い。
また、セキュリティ人材が圧倒的に不足していることも指摘されている。
企業のIT担当がセキュリティを兼任していたり、専門家がいないから設定ミスがあったり、経営層がセキュリティを理解していないことも多い。
企業が委託先まで含めた膨大な個人情報を取り扱っているにもかかわらず、全体を統括しきれていないのが現状だ。
構造がそもそも、「セキュリティに弱い」のである。
守りが弱いまま、攻撃側だけが強くなった今
以前はこの守りの弱さがあったとしても、日本語が障壁となっていた部分がある。
だからセキュリティの弱さについて、誰も危機感を持たないまま、弱い守りのまま、企業はデジタル化を進めてきた。
しかし、日本語の壁がなくなった今、日本のサイバー空間は、穴だらけだ。
守りが弱い中で、丸出しの穴を同時多発的に攻撃されているのである。
システムがダウンしたとして、委託先に管理を任せている企業はそこでタイムロスが生まれる。
委託先が複数の企業のセキュリティを兼任していれば、対応はさらに遅れる。
同じセキュリティを使っていれば、芋づる式に攻撃を受けることにもなる。
年に一回のシステムアップデートでは、もう攻撃のスピードに追い付けないほどに、AIの進化は速いのだ。
早急に迫られる国家としてのサイバーセキュリティ強化
AIを使ったサイバー攻撃は、既に人力の範疇を超えている。
24時間絶え間なくサイバー攻撃を続ける自動化が可能になり、攻撃側は”休まない”。
一方、日本のサイバーセキュリティはおそらくほとんどがまだ人力だ。
そうであれば、国家主導でセキュリティ強化を進めていくフェーズではないだろうか。
攻撃側がAIを使っているのであれば、守る側もAIを使っていく必要がある。
その動きは、やはり国家主導で進めていかなければ、間に合わない。
日本が取るべき3つの対策
とはいえ私はデジタル音痴なので、「AIにはAIで対抗すればいいのでは?」というふわっとした感覚で話しているに過ぎない。
具体的にどんな攻撃がされていて、どんな対応をしていくのか、システマティックな部分は全く分からないので、日本で今起きているサイバー攻撃の波がどうしたら収まるのかをAIに聞いた。
①古いシステムやVPN機器を廃止・更新する
日本企業の弱点の8割はここだと言われている。
古いWi-Fi機器や古いVPN機器は、攻撃者が最も狙う入口だ。
これを廃止したり、新しいものに更新するだけで、攻撃の入り口が激減する。
②MFA(多要素認証)が当たり前になる
不正ログインの9割はID・パスワードの悪用だ。
会社のシステムにログインする際に、IDとパスワードのみでログインするシステムを使っている企業は多いのではないだろうか。
ここに、生体認証やコード認証などを組み合わせることにより、IDとパスワードが漏洩しても不正アクセスを防げる。
③企業や国家として「セキュリティ=リスク」と理解する
日本のセキュリティ投資は圧倒的に低い。
アサヒやアスクルが取引停止に陥ったように、攻撃は経営に直結する。
個人情報が漏洩すれば補償や訴訟リスクもある。
サイバーセキュリティは経営リスクだという認識を持つべきである。
これは企業での話だが、これが国家システムに及ぶとどうだろう。
- 電力が供給できない
- 水道が止まる
- 年金が支給できない
- 防衛システムが機能しない
国家機能が停止する可能性は、すぐそこまで迫っている。
こうしたセキュリティ強化を国家主導で進めていくのが理想
日本のサイバーセキュリティは世界最悪レベル
ハッカーにはそんなレッテルを貼られているとまことしやかな噂だが、上記したようなセキュリティ強化を、国が主導して進めていく必要があるだろう。
セキュリティ強化のガイドラインを作ったり、「○○年製以前のVPNは推奨しない」など、企業が備えるべきセキュリティの指標を作ることが必要ではないだろうか。
デジタル機器を使うには、同じだけ”守る力”も必要
マイナンバーカードが導入されたとき、「何か怖い」という意識を持った人は多くいた。
しかし、スマホで銀行アプリをダウンロードするとき、お店の会員登録をするとき、メルマガが届いた時、同じようにいちいち危機感を持つ人は、どれくらいいるだろうか。
今自分が操作しているものが、外部に漏れたらどんなことになるのか。
その一瞬の危機意識を、持つ必要がある。
AIのサイバー攻撃は、もう止まらない。
国家も、企業も、個人も、常に狙われ続ける。
今手にしているスマホやPCは、便利なデジタル機器だが、それを使うには相応のセキュリティ意識が必要だ。
- 不要なアプリをダウンロードしていないか
- セキュリティソフトは最新か
- Wi-Fiのセキュリティは最新か
こうした手軽なところから、セキュリティ意識を高めていく必要がある。
そして初歩的なことだが、
- メールのURLは簡単に開かない
- 不審なサイトは開かない
- 不用意に個人情報を入力しない
こうした対策を個人で徹底していく必要がある。
(デジタル庁のコメントは、多分こういうことを言いたかったんだと思う笑)
デジタル後進国から特殊なデジタル先進国へ
アメリカと中国のAI覇権争いに、日本はついていけないほどの差をつけられてしまったと、有識者は口をそろえて言う。
しかし、日本はあらゆる部分において世界的にも”独特”なのだ。
マルウェアが長らく日本語の壁を突破できなかったように、日本だけの特色を生かして、独自発展をしていく力は、きっとまだある。
今の不正アクセスの波も、なにか”日本的”打開策を見いだせれば…
私はそんな風に思っている。
30年以上経済が停滞していた社会の問題は山積みだ。
日本が”デジタル後進国”からどう成長していけるのか。
動きを見守っていきたいと思う。
おまけ|かくいう私も問題は山積み笑
8年前のiPhoneから、Pixel9aへ機種変更したわけだが、いろいろと登録を後回しにしている笑
結局中途半端にiPhoneを使っているので、「これこそがリスク…」と思いながら記事を書いている笑
私もデジタル音痴ではあるが、デジタル機器を特殊な分野のみで使い倒しているので、セキュリティ意識は改めないといけないと思っている。
とりあえずOSのサポートが切れる前に、Pixelへ管理を移行していかなければと、ちまちまと進めているところである笑
nekoラジ北海道One Weekでは、まったりニュースについて雑談しています♪


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