日本語には同音異義語と呼ばれる言葉があります。
これは同じ読み方をするのに、意味がまったく違う言葉のことです。
例えば「あめ」や「くも」。
空から降ってくるのは雨、お菓子は飴。
空にあるのは雲、虫は蜘蛛。
文章なら漢字で区別できますが、会話では 文脈から「どちらの意味なのか」を判断する必要があります。
日本語は音の種類が少ないため、同じ読み方の言葉がとても多く、これは日本語学習者がよく困るポイントでもあります。
今回は、海外の方が特に混乱しやすい 日本語の同音異義語について解説していきます。
日本語を勉強中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
日本語の文字のニュアンスが気になる方はこちら♪
同音異義語とは|同じ読み方で意味の違う言葉
同音異義語とは、同じ読み方をするのに、意味が違う言葉のことです。
日本語は音の種類が比較的少ないため、同じ読みになる言葉が多く、 漢字によって意味を区別する仕組みが発達しています。
では、どんな同音異義語があるのか、具体的な例を見ていきましょう。
あめ|雨と飴の違い
「雨」と「飴」は、どちらも あめ と読みますが、意味はまったく異なります。
日本語学習者が最初に出会う代表的な同音異義語です。
雨(あめ)
空から降ってくる「あめ」。
アクセントは “あ” にあります。
例:今日は あめだね。 → 天気の話をしている。
飴(あめ)
お菓子の「あめ」。
アクセントは “め” にあります。
例:あめが食べたい。 → お菓子の飴のこと。
ポイント
会話では漢字が見えないため、文脈とアクセントで判断する必要があります。
日本語のアクセントは意味を区別するヒントになることが多いです。
くも|雲と蜘蛛の違い
「雲」と「蜘蛛」は、どちらも くも と読みます。
雨・飴と違って、アクセントの違いはありません。
そのため、会話では 文脈 で判断する必要があります。
雲(くも)
空に浮かんでいる「くも」。
例:あのくも見て! → 空を指さしているなら「雲」。
蜘蛛(くも)
虫の「くも」。
例:くもがいる! → 家の中や足元を見ているなら「蜘蛛」。
ポイント
アクセントが同じため、状況・文脈が判断材料になります。
視覚情報(どこを指しているか)が意味を決めることもあります。
日本語学習者が混乱しやすい代表例と言えますね。
かみ|紙・神・髪の違い
「紙」「神」「髪」は、どれも かみ と読みますが、意味は異なります。
紙(かみ)
書いたり包んだりするための「かみ」。
アクセントは “み” にあります。
例:かみちょうだい! → 紙のこと。
神(かみ)
信仰の対象となる「かみ」。
アクセントは “か” にあります。
例:かみを信じる。 → 神のこと。
髪(かみ)
頭の毛の「かみ」。
アクセントは “み” にあります。
例:かみが伸びてきたね。 → 髪の毛のこと。
はし|箸・橋・端の違い
「箸」「橋」「端」は、どれも はし と読みますが、意味はそれぞれ異なります。
箸(はし)
食べるときに使う道具。
アクセントは “は” にあります。
例:はしを使う。 → 食事の箸のこと。
橋(はし)
川や道路をつなぐ構造物。
アクセントは “し” にあります。
例:はしを渡る。 → 橋のこと。
端(はし)
物の“はしっこ”や境目を指す言葉。
アクセントは “し” にあります。
例:はしに寄る。 → 端のこと。
苗字でも同音異字がある
日本語の漢字には一つ一つ意味がありますが、苗字にも 同じ読み方なのに漢字が違う「同音異字」 が多く存在します。
これは日本語学習者だけでなく、日本人でも迷うことがあります。
さいとう|日本人でも違いが分からない代表例
「さいとう」という苗字は、日本人でもトップクラスに漢字のバリエーションが多い苗字です。
漢字の違いが細かいため、日本人でも書き間違えることがあります。
- 斉藤
- 斎藤
- 齋藤
- 斎籐
海外の方には全部同じに見えるかもしれませんが、漢字の「へん」や「つくり」が微妙に異なります。
わたなべ|意外と字が異なる苗字
「わたなべ」という苗字も、実は複数の漢字表記があります。
- 渡辺
- 渡邊
- 渡部
日本語に同音異義語が多い理由|音の種類が少ないから
ここまで紹介してきたのは、ほんの一例ですが、日本語には同音異義語が本当にたくさんあります。
その理由は、日本語の 音の種類(音節)が少ない ことにあります。
日本語の音は「子音+母音」の組み合わせが中心
日本語の音は、基本的に
- あ・い・う・え・お(母音5つ)
- 子音+母音の組み合わせ(か・き・く・け・こ など)
という、とてもシンプルな仕組みで成り立っています。
英語のように子音が連続する音(str-, cl-, pr- など)がほとんどないため、音のバリエーションが少なく、同じ音に複数の意味が集まりやすい のです。
漢字が意味を区別する役割を担う
日本語は音の種類が少ない代わりに、漢字が意味を区別するための重要な役割を持っています。
漫画本では、セリフが漢字交じりの文字で表されているため、何を意味しているか分かりやすいです。漫画本を読んでからアニメを見ると、耳から聴くだけでも、内容が分かります。
しかし、アニメから入ると、「今のはどの意味の単語だろう?」とわからなくなることもあります笑
そういう場合は、ストーリーの流れから判断することが多いです。
クレヨンしんちゃんに見る、ダジャレと紙一重の同音異義語?
同音異義語なのか、ダジャレなのか、たまに境界が分からなくなることがあります。
『クレヨンしんちゃん』では、同音異義語の“音の似ている性質”を使ったダジャレがたくさん登場します。
「しゅっぱつおしんこー!きゅうりのぬかづけ!」
しんちゃんの名物フレーズ
「しゅっぱつおしんこー!きゅうりのぬかづけ!」
これは「出発進行」という鉄道用語が元ネタです。
- 出発:駅から出ること(発車)
- 進行:進んでよいという信号の状態
「出発進行」は、車掌さんが運転士に向けて 『発車して前へ進んでよし!』 と伝えるための合図。
しんちゃんは、この “しんこう” を 漬物の “おしんこう(お新香)” に聞き間違えているわけです。
その結果、
「出発おしんこう!キュウリのぬかづけ!」
という独自の掛け声に進化しています。
完全にダジャレなんだけど、元が同音異義語なので成立しているのが面白いポイント。
サトーココノカドー|イトーヨーカドーの絶妙な言い換え
しんちゃんの世界に登場するショッピングセンター 「サトーココノカドー」
これは実在の 「イトーヨーカドー」 を巧妙にもじった名前だと言われています。
イトー:日本のよくある苗字「伊藤」
ヨーカドー:元は「羊華堂」。音としては「八日堂(ようかどう)」にも聞こえる
これをしんちゃん流に変換すると、
- 佐藤(サトー)
- 九日堂(ココノカドー) → 八日堂(ヨーカドー)を一日ズラしたダジャレ
イトーヨーカドー → サトーココノカドー
という、音の遊び+同音異字の文化を使った絶妙な言い換えになっているんですね。
素晴らしいセンスです笑
感覚としては、韻・ダジャレ・同音異義語が紙一重
こうした例を見ると、 同じ読み方で意味が違う言葉(同音異義語)は、少し韻を踏んだり、ダジャレのようにも感じられます。
小説や文章では、漢字でその違いを読み取ることができるし、漫画やアニメでは、音の似ている性質を使ってコミカルにできます。
日本語の同音異義語は、耳だけで聞くと難しいですが、漢字と組み合わせて視覚的に捉えると、意味の違いが一気に分かることが多いです。
「同音異義語が難しい…」と感じている方は、漢字の意味を知ることで、むしろ 日本語の面白さ が見えてくるかもしれません。
おまけ|日本語が英語に聞こえる空耳笑
ショート動画などを見ていると、日本語のフレーズが英語に聞こえる“空耳シリーズ” を見かけることがあります。
- しらんけど→She run,kid.
- はまち→How much?
- 湯呑み→You Know me?
もちろん聞き間違いではあるのですが、日本語の会話を聞いていて 「今、英語しゃべった?」 と感じる瞬間があるのは、ちょっと面白いですよね。
日本語は母音が多く、英語も歌や会話で母音が強調されることがあるため、音の並びが偶然似てしまうことがあります。
同音異義語とは少し違いますが、「音が似ていると意味がズレて聞こえる」という点では、日本語の“音の遊び”の一つとして楽しめる現象です。
YouTubeではオタク的日本語講座動画を上げています♪




コメント